2022年2月1日にクランクインした本作。初日からW主演の道枝駿佑と福本莉子が顔を合わせ、神谷透と日野真織の愛おしい時間が日々切り取られていったが、その中で道枝が「なんだか今日が初日みたいな気分です」と語ったのが撮影5日目の2月6日。この日、千葉県にある高校を借りて撮影されたのは、真織が透のクラスを訪ねて、交際の条件を話すシーン。ふたりの始まりとなる場面だけに、まさに透と真織の初日。それに加えて、実はここまでの間に撮影されてきたのは、デート風景の点描シーン。脚本には状況の説明があるのみで、掛け合いはすべてアドリブ。セリフのある芝居場を演じるのは本日が最初で、そうした意味でも道枝と福本の初日となった。
それぞれに緊張を滲ませながらも、これまで撮影を重ねて来ていて、これ以前にも共演しているだけにやりとりはスムーズ。互いの芝居を受けながら、三木孝浩監督のもと、透と真織の関係性と空気感が形作られていた。またこの日のロケ終了後、映画化発表の際に公開された、自撮りで真織が透とカメラに収まるビジュアルも撮影。ちなみにこちらはデイのビジュアルで、続いて発表されたポスターはサンセット、その後のチラシはナイトのビジュアルとなっていて、記憶が失われていくまでのふたりを表現。眠りにつくと記憶を失ってしまう真織、そして忘れられてしまう透にとって大切なものである時間の移り変わりを、各ビジュアルで描き出している。
ティザーのイメージは初々しくピュアということで、それを伝える男性スタッフがなにわ男子『初心LOVE(うぶらぶ)』の振りを披露すると、道枝当人も福本も無邪気に大笑い。他パターンも撮影された中、細かな指示はなくてもさっと役柄としての動きと表情を見せていて、すでにしてもう道枝は透で福本は真織。ふたりだからこその“セカコイ”の始まりも感じさせた。